辨 |
屋根を葺くのに用いる草の総称。
イネ科のススキ・ヨシ・チガヤ・カルカヤ、カヤツリグサ科のスゲなどをいう。 |
訓 |
かやに対応する漢語は菅(カン,jian)。中国でむかし屋根・垣根などを作る素材としたイネ科の草の総称で、ススキ Miscanthus sinensis やその近縁種、メガルカヤ Themeda triandra var. japonica やその近縁種を指す。
言葉の意味からすれば、菅は 日本語におけるかや(茅・萱)に当る(小野蘭山『本草綱目啓蒙』9 白茅条)が、そこに含まれる植物の範囲は、日中で異なるようである。スゲを見よ。 |
源順『倭名類聚抄』(ca.934)萱に、「和名加夜」と。
ただし、漢語の萱(ケン,xuan)は、カンゾウ(萱草)を指す語であり、カヤの意味で用いるのは日本のみ。 |
漢語の茅(ボウ,mao)は、穂を抜くイネ科の草の総称、屋根を葺くのに用いる含意がある。カヤと訓読するのにふさわしい。 |
説 |
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誌 |
『日本書紀』巻1神代上 第7段「天石窟(あまのいわや)」に、「茅纏(ちまき)の矟(ほこ)」とあるものは、茅を巻いた矛。 |
『日本書紀』巻15顕宗天皇即位前紀に、5世紀末ごろの、新築の茅葺の家の室寿(むろほぎ)の歌が載る。 |
『万葉集』に歌われるかやについては、ススキの項及び文藝譜を見よ。 |
西行(1118-1190)『山家集』に、
あづまやの をがや(小萱)がのき(軒)の いとみづ(糸水)に
たま(玉)ぬきかくる さみだれのころ
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